【総評】今シーズンのBリーグではいまだ対戦がないものの、前身のチームを含めて過去に何度も激闘を繰り広げてきた川崎ブレイブサンダースとアルバルク東京による準々決勝・第3試合。お互いに強度の高いディフェンスを遂行し、得点こそ伸びていかないが締まったゲームが展開されていく。後半、オフェンスの精度をやや欠いたA東京に対し、我慢を続けてきた川崎は終盤になっても攻守の集中力を切らさず逆転に成功。3点差で川崎がA東京を振り切って、準決勝進出を決めた。【第1クォーター】#24田中のキックアウトから#13菊地が3ポイントシュートを沈めたA東京が先制するが、川崎もすぐに#22ファジーカスがジャンプシュートを決めるなど、両チームともに序盤から持ち味を前面に押し出してくる。A東京は#15竹内、#24田中も3ポイントシュートで続き、守っては強度の高いディフェンスで川崎のオフェンスを単発に抑え込んでいく。タイムアウトで流れを断ち切った川崎は#35ヒースの3ポイントシュートで追い上げを図るが、A東京は#7正中の3ポイントシュート、#5ジョーンズの1対1などでリードを広げていく。終盤にはA東京#24田中が連続得点をあげるが、川崎は#35ヒースがブザービーターで3ポイントシュートを決めて17-27とし、A東京が10点リードをして第1クォーターを終える。【第2クォーター】川崎は立ち上がりに#22ファジーカスが高さを生かしたシュートを決めるが、A東京の強度の高いディフェンスを崩しきれない。そのA東京も川崎のハードなディフェンスに苦しめられ、最初の約4分を#53カークによるフリースロー2本だけに抑えこまれてしまう。お互いが強度の高いディフェンスを遂行したゲームは続き、A東京が#5ジョーンズの3ポイントシュートで抜け出すと、川崎は#35ヒースのダンクシュートで食らいついていく。中盤、川崎は#0藤井がスクリーンを使ったジャンプシュートを決めるが、#22ファジーカスの放ったシュートが立て続けにリングに弾かれ、点差を縮めることができない。終盤、川崎は#35ヒースから#27熊谷へとつながるプレーが決まり28-35、川崎が7点差に縮めて前半を折り返す。【第3クォーター】後半の立ち上がり、川崎が#22ファジーカスのバスケットカウントなどでいきなり2点差に詰め寄る。A東京は#53カークがフリースローを1本しか決められないなど、なかなかリズムに乗り切れない。一方の川崎も#22ファジーカスが同点のチャンスで3ポイントシュートをことごとく外して、同点に追いつけない。A東京は#3安藤のジャンプシュートなどで再び7点差に押し返すが、そこからまた両チームが強度の高いディフェンスを遂行していく。終盤、川崎は#27熊谷がジャンプシュートを決めると、#22ファジーカスのシュートを挟んで、再び#27熊谷がステップを使ったシュートを決めて3点差に詰め寄る。残り47秒、川崎は#22ファジーカスのシュートで同点に追いつくと、#14辻から#35ヒースへのアリウープが決まって川崎が逆転。46-44で最終クォーターに突入する。【第4クォーター】#35ヒースのリバウンドシュートで川崎が先に得点を動かすと、#14辻が3ポイントシュートで続いてリードを広げる。後半に入ってシュートの精度を欠いていたA東京だったが、#53カークのゴール下、#7正中のフローターシュートなどで追い上げていく。しかし川崎も#22ファジーカスがバスケットカウントなどで再び突き放していく。それでもA東京は一つひとつ返していき、#11須田のシュートで2点差に詰め寄ると、ピック&ロールから#53カークが決めて、同点に追いつく。ここからはお互いが決め合い、ともに譲らないままゲームの終盤へ。勝敗を分けたのはフリースロー。ファウルで得た2本のフリースローをきっちりと決める川崎に対し、A東京は1本を外すなど精度を欠き、69-66で川崎が2年ぶりの天皇杯・準決勝に進んだ。