【総評】第95回天皇杯決勝戦は、6年ぶり4回目の優勝を狙う川崎ブレイブサンダースと、5年ぶり2回目の優勝をめざすサンロッカーズ渋谷の対戦。天皇杯決勝の舞台で初めてあいまみえる両チームは、ともに激しいディフェンスから一進一退を繰り広げ、最後まで結末のわからない好ゲームとなった。試合当初こそ互いのディフェンスにシュートを決めきれなかったが、川崎は#33ファジーカス、#14辻を中心に加点。渋谷は#24広瀬や#14杉浦の3ポイントシュート、#9ベンドラメの効果的なドライブなどで得点をあげ、前半を同点で終了。渋谷は後半開始早々#1関野の3ポイントシュートでリードを奪うと、ディフェンスでは川崎にプレッシャーをかけ続けてミスを誘うなど、渋谷の4点リードで最終クォーターへ。第4クォーターに入り、川崎も#14辻、#35ヒースの3ポイントシュートなどで残り4分に逆転に成功するが、渋谷は#32山内の3ポイントシュートですぐさま再逆転。残り1分を切って1点を争う攻防のなか、渋谷がフリースローを決めきり、78-73で激闘を制し、前身の日立サンロッカーズ東京時代を含めて5大会ぶり2回目、令和初の戴冠となった。【第1クォーター】両チーム、相手の厳しいディフェンスの前にシュートを決めきれず、ロースコアの展開となる。その中でも川崎は#22ファジーカスのジャンプシュートなどで得点を重ねると、渋谷は#24広瀬、#14杉浦の3ポイントシュートなどで対抗。互いに主導権を譲らないなか、終了間際に川崎は#22ファジーカスが、渋谷は#16渡辺が3ポイントシュートを沈め16-16の同点で第1クォーターを終了。【第2クォーター】開始早々、渋谷がオールコートでディフェンスから仕掛けると、川崎はボール運びでミスを連発。開始2分で渋谷はスティールからの速攻など連続6得点で22-16とリードを奪う。しかし、川崎もタイムアウト明けに#14辻が3ポイントシュートをねじ込むと、#35ヒースの連続7得点などで反撃。互いに流れを渡すことなく、終盤、川崎は#22ファジーカスの3ポイントシュートで逆転するも、渋谷は残り4秒#2サイズがダンクを叩き込み再び同点とし、35-35で前半を終了した。【第3クォーター】渋谷は#1関野の3ポイントシュートで幸先よく得点をあげると、#23野口、#14杉浦らが確率よくシュートを沈めてリードを奪い、試合を優位に進めていく。川崎は渋谷の厳しいディフェンスに晒されながらも、#14辻のドライブ、#22ファジーカスのシュートなどで粘り強く加点し、渋谷に大量リードは許さず。59-55と渋谷の4点リードで最終クォーターへ。【第4クォーター】序盤、川崎が#22ファジーカスの1対1で得点をあげると、渋谷も#9ベンドラメが3ポイントシュートを沈め一歩も譲らない。渋谷リードで試合が進む中、川崎は#14辻、#35ヒースの2本の3ポイントで、残り4分68-69と逆転に成功。しかし、渋谷も#32山内が3ポイントシュートを入れ返し、再逆転。1点を争う緊迫した展開で最終盤へ。渋谷が2点リードの残り17秒、74-72と場面で川崎は#14辻がフリースローを獲得するも、1本しか決められず。74-73。残り10秒、渋谷は#27石井がフリースローを2本沈めて76-73と3点のリードとする。残り2秒、川崎はスローインから#14辻が同点の3ポイントシュートを狙うもこれが外れ万事休す。残り1秒、渋谷は#24広瀬がフリースローをきっちり決めて、78-73と息詰まる接戦にピリオドを打った。渋谷が5年ぶり2回目の優勝に輝いた。