【総評】皇后杯では15年ぶりに準々決勝のコートに立つ山梨クィーンビーズ(以下、山梨/当時=甲府クィーンビーズ)と、前回大会ベスト4のデンソー アイリス(同、デンソー)との一戦は、序盤こそ硬さが見えたが、高さと強さで圧倒するデンソーが終始リードを保っていく。山梨もディフェンスに変化を加えるなど勝機を見出そうとするが、デンソーの固いディフェンスの前に得点を伸ばせず、デンソーが山梨を49-74で下して、3年連続での準決勝進出を決めた。【第1クォーター】両チームともに硬さが見られた立ち上がりだったが、デンソーは#8髙田、#12赤穂(さ)の高さを生かしたインサイドプレーで得点を重ねていく。山梨も#13若原が1対1でジャンプシュートを決めるが、デンソーの固いディフェンスの前に得点が伸びていかない。山梨はデンソーのビッグマンにダブルチームを仕掛けたり、フルコートディフェンスを敷いたりするなどして、デンソーのリズムを少しずつ狂わせていく。さらに#47内堀や#11瀬山が積極的なアタックから得点をあげて、デンソーに食らいつく。最後はデンソー#17畠中がゴール下のシュートを決めて10-20、デンソーの10点リードで第1クォーターを終える。【第2クォーター】デンソーは#8髙田のリバウンドシュート、#20近藤の3ポイントシュートなど、バランスのとれた攻撃を展開していく。さらにディフェンスリバウンドを支配し、速攻から得点を伸ばしていくデンソーに対して、山梨は#18岡がゴール下のシュートが単発に決まるだけ。中盤、山梨はゾーンディフェンスから#2渡邉が速攻を決めると、デンソーがその流れを嫌って、タイムアウトを取る。それで落ち着きを取り戻したデンソーは#20近藤のジャンプシュート、#3園田のシュートなどでリードを広げる。山梨も#10星田、#47内堀がシュートを決め返すが、最後はデンソー#3園田が3ポイントシュートを決めて22-38、デンソーが16点リードで前半を折り返す。【第3クォーター】後半はデンソー#88赤穂(ひ)のダブルクラッチからスタート。さらに#8髙田がスティールから速攻を決めてリードを広げていく。山梨はシュートの精度が上がらず、リバウンドも支配されて、リズムをつかめない。中盤以降、主力メンバーをベンチに下げたデンソーがプレーの精度を欠いて得点を伸ばせずにいると、山梨は#47内堀のフリースロー、#18岡がゴール下で難しいシュートをねじ込むなど意地を見せる。さらに#74水野が3ポイントシュートを決めて反撃を試みるが、なかなか連続得点に結びつけることができない。リードを広げたデンソーが30-56として、第3クォーターを終える。【第4クォーター】最終クォーターは山梨#13若原のリバウンドシュートでスタートするが、デンソーも#10渡部がすぐに3ポイントシュートで返す。デンソーの固いディフェンスにシュートを決めきれない山梨に対し、デンソーもオフェンスの精度を欠くなど、ともに我慢の時間帯が続く。中盤、山梨の積極的なオフェンスにデンソーはファウルを重ねるが、そこで得たフリースローを山梨が決めきれない。デンソーはオフェンスでも山梨の積極的なディフェンスにミスを重ねるが、山梨もターンオーバーを犯すなど流れを作れず、そのまま第3クォーターまでの大量リードを保ったデンソーが49-74で山梨を下して、準決勝進出を決めた。