【総評】天皇杯ファイナルラウンドに初出場の富山グラウジーズ（以下、富山）に対し、宇都宮ブレックス（同、宇都宮）は前回大会でファイナルまで勝ち進んでいる。そんな両チームによる準々決勝・第4試合は第2クォーターに富山を捉えた宇都宮が、後半に入っても富山の反撃を粘り強く守っていき、攻めては#32ロシターが1対1、オフェンスリバウンドで大黒柱の働きを見せて富山を振り切り、2年連続で準決勝進出を決めた。【第1クォーター】両チームともにマンツーマンでスタートしたゲームは富山#22ペッパーズの3ポイントシュートで始まる。宇都宮もすぐに#31喜多川が3ポイントシュートを決め返すが、富山は#0ライオンズが速攻を決めて流れを作ると、#13前田、#9水戸も続いて、自分たちのリズムでゲームを進めていく。一方の宇都宮も#32ロシターの3ポイントシュート、#4ギブスのフリースローなどで引き離されない。中盤、宇都宮は#6比江島のキックアウトから#13渡邊が3ポイントシュートを沈めるが、富山も#25葛原が3ポイントシュートを決め返す。一歩も引かない両チームだったが、最後は#1山口の3ポイントシュートで抜け出した富山が22-19とリードして、第1クォーターを終える。【第2クォーター】立ち上がりに#13渡邊のアンスポーツマンライクファウルを宣告されるが、宇都宮はそれでもディフェンスの強度を落とさず、そこから#3ウィリアムズのポストプレー、#13渡邊の3ポイントシュートにつなげて同点とする。中盤、ともに得点が止まる時間帯もあったが、宇都宮が#32ロシターと#4ギブスのコンビプレーで一歩抜け出したところで富山がタイムアウトをとる。そこからは拮抗するゲーム展開となり、ともに大きなリードを奪えない。残り36秒で#6比江島のバスケットカウントで宇都宮が3点リードするが、最後は宇都宮のターンオーバーから富山#22ペッパーズが速攻を決めて33-34、宇都宮の1点リードで前半を折り返す。【第3クォーター】#18鵤の3ポイントシュート、#4ギブスのリバウンドシュートで宇都宮が先にペースをつかむが、富山も#13前田や#0ライオンズがカッティングからパスを受けてシュートを決めるなど、宇都宮にしっかりとついていく。それでも中盤に宇都宮が#3ウィリアムズの速攻でリードを7点に広げると、ディフェンスでも富山のオフェンスを粘り強く守り、自分たちのペースでゲームを進めていく。終盤、富山#22ペッパーズが宇都宮#10竹内の上からダンクシュートを叩き込み、さらに#0ライオンズもフリースローでつないで点差を縮めたが、44-50で宇都宮が6点リードをして第3クォーターを終える。【第4クォーター】富山は#25葛原の3ポイントシュートで3点差とすると、いったんは宇都宮#4ギブスにゴール下のシュートを決められるが、#25葛原のリバウンドシュートなどで1点差にまで迫る。中盤はお互いが決め合う展開となるが、リバウンド、ポストアップからの得点、そして2本連続のブロックショットなどで存在感を示した#32ロシターの活躍で、宇都宮が徐々にペースをつかんでいく。富山は得点力の高い#0ライオンズにボールを集めるが、宇都宮は#32ロシターが3連続得点をあげて、富山の反撃を跳ね返していく。最後まで粘り強さを失わなかった宇都宮が富山を74-65で下し、2年連続での準決勝進出を決めた。
